陸上男子長距離の池田耀平(花王)が、28年ロサンゼルス五輪への道を歩み始めた。島田市出身でマラソン日本歴代2位の自己記録(2時間5分12秒)を保持する26歳。2日の東京マラソンで9月の世界選手権東京大会の代表入りを目指した中、2時間6分48秒で日本人4番手の14位にとどまった。出場権獲得はならなかったが、30キロ過ぎで日本人トップに浮上するなど存在感を発揮。攻めの姿勢に手応えを示した。

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東京マラソンを走り終えた池田は、悔しげに唇をかんだ。「まだまだ力が及ばなかった」。30キロ過ぎには日本人トップに立ったが、重要視してきた残り10キロで失速。日本人トップの市山に48秒差をつけられて、ゴール後は両手で顔を覆った。「日本人トップに立った時はいけるかと思ったけど、そんなに甘くなかった」と受け止めた。

終盤のペースダウンは、攻めの姿勢を貫いたからでもあった。目標タイムに据えたのは、日本記録を26秒も上回る2時間4分30秒。左腕にはフェルトペンで5キロごとの目安のタイムを書き込んだ。世界を見据え、あえて高い壁に挑んだ。「世界選手権で海外の選手と勝負するため。世界では2時間3、4分が当たり前の時代。自分も勝負したいと思った」と意図を説いた。

そう思えたのは昨年9月のベルリンマラソンでの経験があったから。日本記録にあと16秒と迫る好タイムで6位と健闘した。「練習の成果が出た。マラソンの戦い方として自信になる」と手応えを得た。一方で上位4人は2時間3分台をマーク。力の差を見せつけられた。序盤から先頭争いに加わることができず「自分の中ではまだ6番という認識。先頭で走っているわけでもない」とレース運びには悔しさが募った。

東京マラソンでその雪辱を果たすことはできなかったが、課題は明確になった。「序盤から力を使っている感じがあり、後半の失速に響いた。最後まで押し通す力がなかった」。加えて日本歴代2位のランナーとして、重圧と向き合う大切さも実感。「これまで以上に注目していただいている中で、結果を残していかないといけない」と思い知った。

まだロサンゼルス五輪への道は始まったばかり。池田はこの先を見据えて、はっきりと言った。「今日は良くない中でも2時間6分台で走り切れた。最低限の最低限。これから目指すべきレースを定めて、もう1度勝負をしたい。先が見えるような結果を残したい」。左腕に書いた2時間4分30秒の大目標へ。壁は高ければ高いほどいい。【藤塚大輔】

◆池田耀平(いけだ・ようへい)1998年(平10)6月22日生まれ、静岡県島田市出身。島田第一中では野球部。島田高で陸上を始め、3年時の16年全国高校総体1500メートル5位。日体大では大学3大駅伝に7度出場。21年にカネボウ(22年10月から花王に移管)に入社。好きな言葉は「泰然自若」。166センチ。