<陸上世界選手権>◇第8日◇17日◇モスクワ◇男子マラソン

 中本健太郎(30=安川電機)が2時間10分50秒で、日本勢最上位となる5位入賞を果たした。

 粘りが信条の”はずさない男”が本領を発揮した。序盤から先頭集団でレースを展開も30キロ過ぎに少し遅れを取った。それでも懸命の粘りで、35キロすぎにいったんは先頭集団に戻る。直後のペースアップに再び離されたが、気力を振り絞り前を追った。

 39キロすぎには6位から5位に浮上。目の前には4番手で走るケベデ(エチオピア)の背中がはっきり見えていた。競技上の中まで追い上げを見せたが、わずかに届かなかった。

 過去10回のマラソンで11位以下のない堅実さが売りの男が昨夏のロンドン五輪入賞(6位)から1つ順位を上げる5位入賞。着実に成長の一歩をモスクワの地に刻んだ。

 レースを終えた中本は「ロンドン五輪の6位を目標としていたので満足している。点数をつければ80点。自信を持ってスタートラインに立てた」と話した。

 ほかの日本勢は、藤原14位、前田17位、川内18位、堀端は棄権となった。