新型コロナウイルスの猛威が、止まらない。

従来型よりも感染力の強いオミクロン株によって、感染者数は激増。新規感染者数は連日のように「過去最多」を更新し、全国の新規感染者も1日25万人を超えた。感染者数だけを比べれば、今や日本は世界最多らしい。

もちろん、スポーツ界にも影響は大きい。プロ野球やJリーグでは延期される試合が相次いだし、主力を大幅に欠いて試合が行われることも珍しくはなくなった。7月の大相撲でも休場者が続出。力士の3割近くが土俵に上がれない異常な事態となった。

プロのスポーツ興行だけではない。甲子園に出場した県岐阜商はチーム内で感染が拡大。登録選手を急きょ入れ替えるなどで1回戦を戦った。試合は大敗したものの、これまでなら出場辞退となっていたところ。監督は「異例の対応に感謝したい」と話していた。

「試合ができただけでもいい」などと書くと怒られそうだが、7月23日に四国4県を舞台に始まった高校総体では、出場辞退が相次いでいる。サッカーでは同25日に初戦を迎えるはずだった静岡県代表の磐田東が辞退。その後も連日のように辞退校が出ている。

高野連と違って、高体連の規定ではチーム内に1人でも感染者が出た場合は辞退となる。競技によって感染リスクも異なるから、単一競技の高野連と単純に比較することも難しいのかもしれないが、これだけ辞退が相次ぐともう少し柔軟な対応はできないかとも思う。

一昨年、新型コロナウイルスの「登場」で、スポーツ界は大打撃を受けた。東京五輪・パラリンピックをはじめとしてスポーツができなくなった。スポーツ界が止まってしまった。

昨年はスポーツ界そのものは動きだしたが、観客への感染リスクという問題が起きた。東京五輪・パラリンピックは無観客開催。プロ野球も、Jリーグも、多くのスポーツが無観客で再開、観客が入れるようになっても人数は制限された。

新型コロナ3年目「行動制限のない夏」とはいっても、現実的にはマスク着用や声出し制限など、まだまだ本来の形ではない。そこに相次ぐ中止、延期…。スポーツ界が本当の意味で「動きだした」とは、まだまだ思えない。

先週末、13、14日にはハンドボールの日本リーグ男女計10試合が予定されていた。しかし、半分以上の6試合が延期。ハンドボールは身体接触が激しいという競技特性もあって、厳しいガイドラインが設けられている。もっとも、この調子で中止、延期が続いていけばリーグ戦が消化できなくなる可能性もある。

ハンドボールは24年のプロ化に向けて、今月いっぱいに参加チームを募り、10月には初年度参加チームを決めるという。プロ化に向けて機運を高めたいところだが、新型コロナの影響は今も続いている。

もちろん、スポーツ界だけではない。エンタメでも日常的に中止や延期があるし、社会生活そのものにも影響は大きい。収束しないのであれば、よりうまくウイルスと付き合えるすべを。スポーツ界だけではなく、社会が本気で「ウイズコロナ」を考えないと、日常は戻ってこない。(ニッカンスポーツ・コム/記者コラム「OGGIのOh! Olympic」)