「もう1人のアマナキ」がエンジン全開だ。途中出場のリコーCTBアマナキ・ロトアヘア(26)が試合を決めた。26-24と逆転して迎えた後半40分、近鉄の猛攻に耐えると相手陣右タッチライン際ラックでロトアヘアがボールを奪取。ライン際を一気に駆け抜け、ダメ押しのトライで試合を締めた。日本代表候補入りを果たした新星の走りに、聖地・花園は何度もどよめいた。

 トンガで生まれ、京都・花園大にラグビー留学したロトアヘア。昨年W杯日本代表でブレークしたアマナキ・レレィ・マフィ(26=NTTコミュニケーションズ)とは大学時代のチームメートだ。

 同じトンガ生まれの「アマナキ」で、もちろん友人。昨季はわずか2試合の出場ながら、今月3日発表の日本代表スコッド入りを果たした。神鳥監督も「フィジカルでボールを前に持って行ける。日本人が見せられないアタックができるし、ディフェンスでもパフォーマンスを見せられるのか彼の強み」と信頼を寄せる。

 関西大学Bリーグ(2部)の花園大から日本代表に名を連ねたロトアヘアとマフィ。マフィはNO8として、ロトアヘアはCTBやWTBとして代表にとって楽しみな存在だ。視察に訪れたスーパーラグビー、サンウルブズのティアティア新ヘッドコーチも「ロトアヘア兄弟がインパクトを与えて、試合の流れを変えた」と途中出場の兄ロトアヘア・ポヒヴァ大和(28)と合わせて拍手。リコーを押し上げる男の力強さが今季3勝目を運んだ。