世界上位6カ国で争われるフィギュアスケートの団体戦、世界国別対抗戦(20~22日、国立代々木競技場)の日本代表発表会見が5日、都内で開かれ、世界選手権で3季ぶりに優勝した男子の羽生結弦(22=ANA)が今季1度も達成していないSP、フリー両方のノーミスを宣言した。2連覇のかかる来季の平昌五輪に向け「横綱相撲」で今季最終戦を締めくくる。

 羽生の興奮は冷めていなかった。SP(ショートプログラム)5位から大逆転優勝したヘルシンキでの世界選手権から3日たっても「高ぶっている」と口にした。

 今季まだやり残していることがある。昨季はグランプリ(GP)シリーズNHK杯、GPファイナルの2戦連続でSP、フリー両方を完璧に滑り、歴代最高点を樹立。だが、今季はフリーでしかノーミスを達成していない。今回の世界選手権では、フリーで223・20点と自身の世界歴代最高点を3・72点更新したものの、SPでは連続技でミス。2つの演技をそろえる難しさを痛感した。「集中して、ノーミスを続けてやることが大事」と自らを鼓舞。フリーも「GOE(出来栄え点)や演技構成点をもっと稼げる」とさらなる得点の上積みを目指す。

 完璧な演技なら歴代最高点の更新は確実。まだ日本以外の代表は発表されていないが、米国のチェン、中国の金ら18年平昌五輪のメダル候補が出場する可能性が高い。ここで世界王者として「横綱相撲」を取れば、2連覇のかかる平昌五輪へ弾みがつく。「頭と体、2つの声を聞きながらコンディションを整えたい」。どっしりと構え、ライバルを迎え撃つ。【高場泉穂】