世界9位の錦織圭(27=日清食品)が、アジアのエースの意地で、2日がかり、3時間51分のアジアNo・1決定戦を制した。同67位の鄭現(21=韓国)に7-5、6-4、6-7、0-6、6-4のフルセットで振り切り「気持ちを切り替えた。リターンに集中した」と、マッチポイントを相手のダブルフォールトで奪うと、ほっとした表情で、右手を小さく握りしめた。

 前日、降雨順延となった試合は、錦織から7-5、6-4、6-7、0-3でスタート。第4セットは0-6で落としたが、最終セットで錦織が少しずつレベルを上げた。第4ゲームで相手のサービスゲームを破ると、そのまま5-3で自分のサーブを迎えた。

 しかし、そのサービスゲームをキープできず。5-4となったが、次の相手のサービスゲームで初めてのマッチポイントを握ると、相手のダブルフォールトで決着がついた。

 主な一問一答は次の通り。

 -自分との戦いだった。

 錦織 雨が降ってくれたので、メンタル的に回復する時間はあった。今日はなるべく気持ちを切り替えて。思い切って攻撃的にできたのが勝因だった。

 -前日、ラケットを壊した。

 錦織 シンプルにセットを落としたのと、2回ブレークされたので、いらいらはたまっていた。

 -精神的にダウンしたのはなぜか。

 錦織 昨日は大事なところで本当にミスが多かった。3セット目も、イージーミスがなければ6-3ぐらいで取れた。

 -ケガは。

 錦織 ないです。大丈夫です。

 -試合中に気持ちを修正するのが難しいか。

 錦織 昨日はたまたまだと思う。1試合を通して、集中力が100%持続できてないのは事実。たぶん雨が降ってなかったら100%負けていた。今日みたいに、運を使いながらも、試合中に修正していくのが自分の強みなので、これからも続けていかないといけない。

 -明日はベルダスコ。

 錦織 強い選手を破って勝ち上がって来ている。特にクエバスにあれだけのスコアで勝ったのはちょっとびっくり。辛抱しながら戦わないといけない相手だと思う。