世界9位の錦織圭(27=日清食品)が15年以来、2年ぶり2度目の8強入りを果たした。元トップ10で09年全豪4強の難敵、同37位のフェルナンド・ベルダスコ(スペイン)に逆転勝ち。日本男子大会84年ぶりの4強入りをかけ今日7日、同1位のアンディ・マリー(英国)に挑む。

 錦織はベルダスコのフォアハンドに対し、打点を常にボールの軌道のトップに置いていた。第2セット以降、伸び伸びとクロスを打ち合った。ベルダスコの弾むボールも、短めのショットも、ストロークの頂点を誤差なく打ち返した。

 テレビ画面は上からの映像なので、錦織が軌道のトップを打っていることが分かるが、ベルダスコの目線からは縦の距離感はつかみづらい。テンポにわずかな誤差を感じ、深いショットを打っても、追い詰めている実感を持てない。セットを追うごとに、錦織は自信を持って打ち合いに臨んでいた。

 マリー戦にはポイントがある。錦織の第2サーブに対し、マリーがどこまで攻撃してくるか。全仏では4回戦まで、いずれも対戦相手は錦織の第2サーブという弱点をそれほど突いてこなかった。つまり、錦織は弱点を徹底して突かれる戦いをまだしてない。

 当日の錦織の第1サーブの確率次第だが、マリーは第2サーブを思い切ってたたいてくるはず。展開力、ストローク力、ディフェンス力はいずれも錦織が勝る。5セットを戦う体力、そしてサーブ力が勝負を分けるのではないか。(亜大総監督 堀内昌一氏)