期待の若武者が、最後尾からチームを勝利に導く。ラグビー日本代表は今日10日、熊本・えがお健康スタジアムでルーマニア代表と対戦する。9日の前日練習では、学生唯一の代表で、先発のFB野口竜司(21=東海大)が軽快な動きを披露した。代表8キャップを持つが、若手主体のアジア選手権以外のテストマッチは初めて。19年W杯日本大会で同組となる可能性のある相手との重要な一戦に「今までとは違う緊張感もあるが、やってきたことを思い切って出したい」と初々しく意気込みを語った。

 東海大仰星高時代に全国優勝し、高校日本代表、U-20代表と高い判断能力と突破力を武器にエリート街道を歩んできた。昨年4月に初キャップを獲得すると、今春のアジア選手権での活躍がジョセフ・ヘッドコーチ(HC)に評価され、ベストメンバーがそろう今回の代表にも名を連ねた。

 ルーマニアは欧州を代表するスクラム強国とあり、同HCは「セットプレーの時間を少なくし、ハイテンポな展開に持ち込みたい」と狙いを説明。攻撃のカギを握る野口に対しては「高いポテンシャルを持っている。ビッグパフォーマンスを期待している」と活躍を求めた。19年W杯出場を見据える21歳が、指揮官の期待に応え、さらなる未来をこじ開ける。【奥山将志】