「阿部時代」の幕開けだ。20年東京五輪のホープで初出場の男子66キロ級阿部一二三(20=日体大)が金メダルに輝いた。6試合中5試合で一本勝ちし、世界に圧倒的な存在感を示した。

<阿部一二三こんな人>

 阿部は柔道着は「誰にも触れさせない」と言う。多くの大学では後輩が先輩の柔道着を洗濯しているが、阿部は日体大の寮で自分で洗濯して、干しているという。「柔道家として柔道着は一番大事なもの。野球選手のグラブやバットと同じで自己管理したいんです」と説明する。好きな言葉は「努力は天才を超える」。これまでの活躍から「天才」とも言われてきたが、努力を惜しまない。出稽古などでも最後まで居残って練習している。

 尊敬する五輪3連覇の野村忠宏氏の前で「夢は五輪4連覇です」と堂々と言う。柔道界きってのイケメンはプロ意識が高い努力家。そして物おじしない有言実行タイプだ。【峯岸佑樹】