女子200メートル個人メドレーで大橋悠依(21=東洋大)が、世界選手権銀メダリストの貫禄を見せつけた。最初のバタフライから先頭に立つと、そのままトップを譲らずに2分10秒33でフィニッシュ。昨年大会で自身が記録した大会記録に0秒02及ばなかったが、大会連覇を達成した。

 大橋が、思わず「うわー」と顔を背けた。2位に大差をつけたが、大会記録に0秒02及ばない2分10秒33。「最後の50メートルがきつくて微妙かなと。すごく悔しい」。それでも7月に世界選手権、8月にユニバーシアードと続いた過密日程をものともせずに連覇達成だ。

 この1年で急成長を遂げた。「1年のころは2コメ(200メートル個人メドレー)が怖くて、2年は予選落ち。自分がインカレで優勝できるような選手になると思わなかった」。かつては貧血で練習がつめず、レース前には暗い顔で「今日はちょっとだめかも」と弱音を漏らしていた。ただ不遇の間に、代表を預かる平井コーチが不在になっても、自分で考えて練習する癖がついた。今ではレース前にやるべきことを見失わない。「日本記録(2分7秒91)保持者のプライドを持って泳げている」と口にした。

 この日最後の400メートルメドレーリレーではチームに勢いをつけられず「申し訳ない」と涙。その分、今日3日の最終日に400メートル個人メドレーで2冠を狙う。