「柔道界の沙羅ちゃん」があと1勝に泣いた。女子78キロ超級の朝比奈沙羅(20=東海大)は銀メダルだった。前大会覇者、于頌(中国)との決勝。得意の右外巻き込みで攻め続けると徐々に劣勢となり、延長1分56秒に2つ目の指導を受けて敗れた。「金と銀では全然差があって悔しい。もう1段レベルアップしたい」と涙した。

 試合当日は、仲の良い女子48キロ級の近藤亜美に同行を依頼。年齢差2歳、体重差87キロの“サラアミ”は同部屋になることなどが多い。世界一は逃したが健闘した背景には、近藤の精神的な支えもあった。

 176センチ、135キロの大器で豪快な柔道が持ち味だが、実は女性らしい。ポトフなどの料理が得意で週1回、1週間分の食事を作り置きする。今大会は東京五輪の通過点。「笑顔を世界にアピールする」と決めて挑んだが、17年夏は涙で終わった。