「ゴムまり娘」が凱旋(がいせん)帰国した。体操の世界選手権女子種目別床運動で、日本人初の金メダルを獲得した村上茉愛(21=日体大)が11日、開催地カナダから帰国し、都内で会見を行った。

 内村航平の「キング」、白井健三の「ひねり王子」と歴史に残る体操選手には、それにふさわしいキャッチフレーズがある。日本女子として個人で63年ぶり、床運動では初の金メダルを取って帰ってきた村上は、会見で「自分で言うのもなんですけど…」と謙遜した上で「ゴムまり娘、と呼んでください」と希望した。理由は「昔から力強い演技だったり、バネのある演技を目指してやってきた」から。ニューヒロインの愛らしいあだ名が誕生した。

 「メダルを取るとこんなにも違うのか」と帰国して初めて反響を実感した。空港ではテレビカメラ、報道陣が待ち受け、一般の人からも「おめでとう」と祝福を受けた。1つの金メダルで、知名度は急激に上がりつつある。

 この「ゴムまり」の勢いは止めない。3年後の東京五輪までに「最強の村上と言われるよう練習していく」。種目別床運動では喜びを味わったが、予選1位で勝ち上がった個人総合では4位。平均台のミスが響き、あと1歩でメダルを逃した。「やっぱり個人総合を頑張りたい。平均台、(段違い)平行棒が弱いので強化していきたい」と苦手な2種目強化を今後の課題に挙げた。

 飛行機トラブルで帰国が1日遅れ、今は「おすしが食べたい」。英気を養い、次戦11月25日の全日本団体選手権(高崎アリーナ)に向け、すぐ再始動する予定だ。