エース高梨沙羅(21=クラレ)が3位に入り、今季初めて表彰台に立った。1回目に137メートルで3位。2回目は136メートルを飛び、順位を守った。同競技で男女を通じて歴代最多の54勝目は持ち越しとなったが、通算80度目の表彰台。開幕から2戦連続で4位と流れに乗れなかった女王が、ここから勢いをつけていく。伊藤有希(土屋ホーム)は5位だった。

 納得はしていない。それでも高梨は、今季初表彰台となる3位に入り、笑顔を見せた。開幕3連戦で勝利を挙げられず、同競技で男女を通じて最多となる54勝目はお預け。ほろ苦い五輪シーズンの幕開けとなったが「自分のジャンプを見失わないことが大事。課題に集中して取り組んでいきたい」と今後を見据えた。

 五輪種目ではないラージヒルで行われたこの日。1回目に137メートルで3位。逆転を狙った2回目は、タイミングを合わせ飛び出すと風に乗り、136メートルで着地した。特長の鋭い飛び出しはまだ戻らない。それでも前日の公式練習で手応えをつかめずに迎えた一戦で「気持ちを切り替えて良いイメージで飛べたのが良かった」と引きずらず、結果につなげたように少しずつ状態を上げている。

 3連戦で2勝のアルトハウス、1勝のルンビに大きく水をあけられた。五輪前に各国のレベルが上がり、昨季までの追われる立場から追う立場へと変わった。「良い刺激をもらっている。壁を乗り越えていきたい」。シーズンはまだ始まったばかり。平昌で悲願のメダルがあると信じて戦い抜く。【松末守司】