国際オリンピック委員会(IOC)は5日(日本時間6日)、スイス・ローザンヌで理事会を開催。国家ぐるみでドーピングの不正を行ったとして、ロシア五輪委員会(ROC)を資格停止とし、18年2月の平昌(ピョンチャン)五輪からロシア選手団を除外することを決めた。条件をクリアすれば、個人資格での参加は認める。

 ロシアのメダル量産が予想されていたフィギュアスケート界に、衝撃が走った。今日7日に開幕するグランプリ(GP)ファイナルに出場するロシア選手団は6日、名古屋市ガイシプラザで行われた公式練習で無言を貫いた。

 ロシアのシニア出場選手は男女シングル各2人とペア2組。男子の若手コリャダと30歳ベテランのボロノフは、何事もなかったかのように40分間の練習をこなしたが、その後、報道陣に求められたインタビューには応じなかった。女子で、世界女王メドベージェワと並びメダル候補とされる15歳ザギトワと、ソツコワは、この日の練習に現れなかった。

 とりわけ女子は、ロシア選手の出場可否がメダル争いに直結する。メドベージェワと個人的に親交のある樋口は「(一緒の五輪出場を)すごく強く思っているが、出られたとしても、出られなかったとしても、そのことを考えないようにしたい」。宮原は「どの国の選手にも出て欲しいが、滑るのは1人。自分に集中しないといけない」と複雑な思いを語った。

 日本スケート連盟の伊東秀仁フィギュア委員長は、「(フィギュアのロシア選手は)個人資格で出られる可能性は十分にあると思う」としつつ、国としての参加を認められない事態に陥ったことには「日本最大のライバル国でもあるし、残念」とコメントした。