東地区首位の秋田ノーザンハピネッツが広島ドラゴンフライズを84-68で圧倒した。2年連続2度目のオールスター(来年1月14日、熊本)に選出された田口成浩(27)が途中出場ながら次々とシュートを決め、1度もリードを許すことなく完勝した。前節は青森ワッツに1点差で敗れて12月初の黒星。この1勝で盛り返し、年内の残り6試合を全勝して東地区の首位を堅持する。

 途中出場でも存在感は別格だった。第1Q(クオーター)の途中から出場した田口がチームトップの14得点で主将の意地を見せ、快勝に導いた。この日のMVPを受賞し、試合後は得意の「おいさー!!」で締めくくった。

 田口 今日は最初からプレッシャーをかけられた。いい流れでシュートを打てた。それが3Qまで続いて、勝負が決まった。

 試合開始から圧倒した。出足の鋭いディフェンスで相手の流れを止めると、長距離砲がうなりを上げた。この日チームとして3点シュートは、相手を9本も上回る12本を決めた。田口は第1Q終了間際に3点シュートのブザービーターを決め「まあまあの出来。まだこんなもんじゃない」と胸を張った。愛称ペップことジョゼップ・クラロス・カナルス・ヘッドコーチ(48)はピンクのネクタイを着用し「最初からインテンシティーとアグレッシブさを出してくれた。出だしが1つの勝因」と分析した。

 秋田名物のクレイジーピンクが力となっている。雪が降ったこの日も2383人の観客が集結。味方の交代時にはエールを送って盛り上げ、相手のフリースロー時には容赦なくブーイングをかました。ブースターの声援を背に、東地区では19勝3敗で首位をひた走る。年内の6戦を無敗で乗り切り、来年1月のオールスターにつなげる。「明日(17日)はこういう結果にならない。まず勝って連勝して、つなげたい」と前を向いた。【高橋洋平】