柔道の世界ランキング上位者によるマスターズ大会女子63キロ級金メダルの田代未来(23=コマツ)が19日、開催地のロシア・サンクトペテルブルクから成田空港に帰国した。

 準決勝では世界女王のアグベニュー(フランス)を破るなど4試合オール一本勝ちで大会3連覇を達成した。「心に余裕を持って楽しむことを考えながら、強気で戦えたのが良かった。試合中は足が止まることなく動けていたし、成長したなと改めて思えた」と充実した様子で振り返った。ワールドツアーで日本選手はアグベニューには14連敗中で、“天敵”だった。

 リオデジャネイロ五輪は5位でメダルを逃した。昨年11月には左手首を手術し、リハビリを経て今年6月に実戦復帰。しかし、同階級は国際大会での成績不振により今夏の世界選手権の代表派遣が見送りになった。そんな中、今月のグランドスラム(GS)東京大会、マスターズ大会と連勝して完全復活を印象付けた。「GS東京が終わっても気持ちを切らさず、よりレベルの高い試合をしようと考えた。連勝で今年を終えることが出来たけど、ここから(20年東京五輪の)スタートだし、本当の勝負。止まらずに前に進んでいきたい」。

 女子代表の増地克之監督(47)は田代について「相手を投げにいく姿勢が良かった。精神面の成長も大きいし、今回の結果を自信に変えてほしい」と期待を込めた。