アメリカンフットボール日本選手権プルデンシャル生命杯「第71回ライスボウル」は1月3日午後3時、東京ドームでキックオフされる。2年連続3度目出場の富士通フロンティアーズと、27年ぶり5度目出場の日大フェニックスが対戦する。

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 ODK(オフェンス、ディフェンス、キッキング)のバランスが、最後にはものを言うアメリカンフットボール。その中でスペシャルチームの代表格と言えるキッカーの出来、不出来が試合の流れを左右すると言っても過言ではない。

 それを証明したのがJXBでの富士通K西村豪哲。今季のオールXで4年連続6度目の受賞を果たした32歳のベテランは、9度のPAT(TFP)キックを全て成功させ、チームがつかんだモメンタムをIBMに渡さなかった。「TFPは(攻撃の)勢いを維持するためのもの」と言う西村。激しい相手のラッシュにも、味方のブロッキングもあって動じることなく、ボールを高く蹴り上げた。ライスボウルでの姿勢は常にチャレンジャー。「相手に関係なく、しっかりパフォーマンスを出す」と約束した。

 一方、日大は甲子園ボウルで見事なパントを見せた。LBも兼ねる楠井涼(3年)が第2Qにボールを敵陣1ヤードまで押し戻すと、第4Qには第4ダウンギャンブルと見せて、QB林大が絶妙のパント。またも、関学大を自陣1ヤードからの攻撃に押し込んだ。練習に裏打ちされたプレーで、ライスボウルでも、その再現を狙う。

 そして、忘れてならないのがリターナーの存在。JXBの試合開始と同時に飛び出した富士通WR猪熊星也(23)の99ヤードキックオフリターンTDは、IBMファンの悲鳴を誘った。「常に1発しか狙っていない」という40ヤード4秒43の俊足。「1年前まで(立命大の)学生だったが、学生には負けたくない」と気合を入れる。そんな猪熊を例に日大・内田監督は「富士通の選手は高校時代から見ているが、大人のフットボールをやっている」と警戒した。