日本サーフィン界のエース大原洋人(21)が20年東京五輪サーフィン会場となる千葉の海を守る。

 海上保安庁千葉海上保安部が緊急通報ダイヤル「118」を周知するポスターに登場するもので、年明けから千葉県内に約2000枚掲示される。海と関わりが深いサーフィンだが、海上保安庁のポスターにサーファーが起用されるのは異例。千葉ロッテの井口監督に並ぶ起用で、五輪競技となったサーフィンの認知度アップが抜てきにつながった。

 ポスターは、大原のホームで五輪会場でもある千葉・一宮町の釣ケ崎海岸でのライディング写真に「安全と波をつかんでテイクオフ!」の文字と「118番」をデザイン。大原は「海は僕にとって小さな頃からの遊び場であり、今は仕事の場。うまく付き合っていけば、多くのものを与えてくれる。みなさんも安全に付き合ってほしいなと思います」とコメントした。

 今季、序盤の好成績で世界最高峰のチャンピオンシップ・ツアー(CT)入りが期待された。しかし、クオリファイ・シリーズ(QS)30位で日本人初のCT入りはならず。それでも、スポットでのCT参戦で実績を積み、来季に向けて意欲十分。この日も「来年はもっと海のことを知って、いい波に乗って今年以上の成績を残せるように頑張ります」と前向きだった。

 20年東京五輪に向けて、会場の波を熟知する大原には地元の期待も大きい。10月には一宮町を管轄する千葉・茂原税務署の広報大使に就任。そして、千葉海上保安部に「千葉の海の顔」にも指名された。「目標はCTに入ることではなく、CTで戦うこと。しっかりと力をつければ、その先に東京五輪も見えてくる」と話す大原。20年地元での五輪に向けて、大原は新しい年も波に乗る。