高崎アリーナで17、18日に行われるレスリング女子のW杯が異様なムードに包まれる。世界8強による国別対抗戦の同大会は、4年ぶりの日本開催。五輪4連覇の伊調馨(33)を巡るパワハラ問題でレスリング界が揺れる中、日本チームは4大会連続優勝を目指す。

 12日から都内で始まった調整合宿だが、チームの絶対的な指揮官である栄和人強化本部長(57)は不在。恒例の直前合宿の報道陣への公開もキャンセル。選手は今日15日に高崎入りするが、日本協会は「会見などの予定はない」。前日練習の公開も調整中だという。

 4年前に東京で行われた大会では、直前に吉田沙保里の父で代表コーチの栄勝さんが急死。悲しみの中で優勝を決めたが、今回は選手の身近な問題だけに試合への影響は小さくない。大揺れの中、選手がどこまで試合に集中できるかが、4連覇へのカギを握る。