開幕戦でのトラブルを受け改良型MGU-Hを投入したトロロッソ・ホンダはノートラブルで走行を終えた。ピエール・ガスリーはフリー走行1回目が7番手、2回目が8番手と好調さを見せた。

 ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターは慎重な姿勢を崩さないものの、まずは順調な滑り出しに安堵(あんど)の表情を見せた。

 「今日の段階では全く問題なく1日走ることができました。チームとしてテストプログラムもうまくこなせましたし、ガスリーの方は良いタイミングでうまくラップをまとめて良いタイムを出せたと思います。今日のタイムは今日のタイムとしてしか考えていませんが、車体もパワーユニットも今日のデータを見直して、タイヤの使い方やセッティング、エネルギーマネジメントなどを明日に向けて競争力をさらに良いところに持って行けるようにしていきたいと思っています」

 ガスリーは空力の新パーツを搭載して走行したが、それよりもマシン特性がバーレーンのサーキットに合っていることがこの好調につながったと話した。

 「新パーツは小さなものがいくつかあるだけで、ラップタイムにすれば0・05秒程度、大きくても0・1秒以下のもので、目の覚めるようなパフォーマンスの向上をもたらすものではないんだ。でも今日のパフォーマンスが良かったのはアップデートのおかげではなく、コース特性によるところが大きいと思うよ。ここは低速コーナーがとても多いから、そういう区間でとても速い僕らのマシンには有利なんだ」

 ブレンドン・ハートリーは最下位に終わったものの、これは比較のため旧型パーツで走行したことと「スーパーソフトのアタックでうまくまとめられなかったせいだけど、マシンのフィーリングはとてもポジティブだった」と、これが実力ではないことを強調した。

 土曜にかけては他チームもさらに速さを増してくるため、2人ともに「入賞は容易ではない」との見方を示した。それでも実力を発揮し切れればルノーやマクラーレンに肉薄することはできるともいう。まずは開幕戦のようにミスを犯すことなく実力をフルに出し切ることが課題になりそうだ。(米家峰起通信員)