体操女子リオデジャネイロ・オリンピック代表の宮川紗江(18)が29日、自らへの暴力行為で日本体操協会から無期限の登録抹消と味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)での活動禁止処分を科せられた、速見佑斗コーチ(34)に関する一連のパワハラ騒動について、都内で会見を開いた。

宮川は会見の中で、日本体操協会が指定する「2020年東京五輪特別強化選手」という立場が不透明だと語った。

宮川によると、2020年東京五輪特別強化選手は16年11月に説明会があったが、コーチも決まっておらず強化プランが全く見えなかったため、説明会には参加しなかったという。その後、同12月19日に塚原千恵子女子強化本部長から家に電話がかかってきた際に「2020に申し込まないと協会として協力できない。五輪に出られなくなるわよ」と言われたという。

宮川は2020年東京五輪特別強化選手について「代表、ナショナル選手を追い抜いて海外派遣を受けたり出来る、ナショナル選手より上の立ち位置で優遇される」と説明。その上で「トライアウトを受けて、強化本部長の許可を受けたらなれるが、すごく不透明なところがある。詳しく調べてもらいたい。あまり実績のない選手も、海外派遣で優遇されるからという理由で、入る決断をしているのもあるかなと」と語った。

宮川は6月6日に2020年東京五輪特別強化選手に追加されているが、その理由について「圧力を受け、1度入った。オリンピックに出られなくなくなると言われ、入った。入って活動する中で、合宿という実態がなかったり、あまりにも不透明なところが多く、脱退を希望しているところです。入るつもりは今のところないです」と語った。 質疑応答の中で、宮川が2020年東京五輪特別強化選手に入ることが、塚原千恵子女子強化本部長が監督を務める、朝日生命に入ることにつながる、と捉えるような発言をしたことに対し「意味が、よく分からない」という質問も出た。宮川は「2020には朝日生命のコーチが入っている。入れば速見コーチの参加は難しく、朝日生命の先生に教えられることになる。所属よりも、朝日生命のコーチにおそわるということが、このまま引き離され、取られると思った」と答えた。【村上幸将】