バレーボールVリーグ男子の開幕プロモーションイベントが9日、名古屋市のオアシス21銀河の広場で行われた。今月26日の開幕戦(サントリー対JT、東京・大田区総合体育館)を前に1部のV1・10チーム、2部のV2・9チームの監督、主将ら中心選手が集結し(V2の1チームは欠席)、新たにスタートするリーグをPRした。

主役は自他ともに認める“Vリーグ広報部長”!? 豊田合成・高松卓矢(30)だった。V1チームの監督、選手たちとステージに登場し、司会者からマイクを手渡されると大演説が始まった。

「Vリーグが新しくなって、プロ化へ向けて動いていく中で、優勝を目指すことは当然なんですが、ここから先はホームゲームでの集客力求めなければいけない。強さを求めることはもちろん大事ですが、それとともにホームゲームのイベントなどでエンターテインメント性をもっと各チームで上げていかなければいけないと思います。僕的にはVリーグってものを一般のお客さんに周知してもらうことがすごく重要なことだと思います」。

青年の主張ばりに訴えると、オープンスペースに設けられた会場を飛び出し、通りがかりの若い男性をつかまえて即席インタビューと認知度調査を敢行した。

高松 お兄さん、ちょっといいですか。協力をお願いします。質問です。Jリーグって知ってますか?

男性 はい、サッカーですよね。

高松 そうですね。では、Bリーグって知ってますか?

男性 はい、バスケットですよね。

高松 そうですね。では、Vリーグって知ってますか? Vリーグですよ、Vリーグ…。

男性 ちょっとすみません、分からないです。

高松 そうですよね、一般のお客さんはVリーグを知らないんですよ。あっ、僕、豊田合成っていう愛知のチームです。よかったら試合、見に来てください。Vリーグはバレーボールです。覚えといてください。

新Vリーグ男子は3部のV3・6チームを含めた3部制で、ホーム・アンド・アウェー方式を導入。チームにホームゲームの興行権を全面的に委譲し、地域密着を推し進めるシステムで開催される。

ただ、新リーグではあるが、名称はこれまでと変わらない。完全なプロ化へも踏み切れない。Bリーグに後れを取った…。高松が示した危機感を関係者すべてが感じ、共有することが成功への道かもしれない。