今季4年ぶりに現役復帰し、ショートプログラム(SP)首位発進の高橋大輔(32=関大KFSC)がフリーも1位の161・11点を記録し、合計244・67点で優勝した。

3月の世界選手権で5位に入り、SP2位の友野一希(20=同大)は合計233・00点の2位。上位12人が全日本選手権(12月20日開幕、大阪・東和薬品ラクタブドーム)進出を決めた。

復帰2戦目の高橋が1カ月での成長を披露した。3位となった10月の近畿選手権ではジャンプのミスなどが目立ち、118・54点。そこから42・57点を一気に上乗せし「とりあえず大きなミスなく終われて良かった」。06年トリノ五輪と同じSP1番、フリー最終滑走については「今後ないと思います」と笑わせた。

前日3日のSPに続いて、スタンドは超満員。トリプルアクセル(3回転半)を2度成功させるなどジャンプの質が上がり、代名詞のステップでは最高のレベル4を獲得した。演技を終えると、長光歌子コーチから「よくやったね」と声をかけられ「今回は少し恩返しできたかな」と見守ったファンにも感謝した。

復帰表明当初から目標としていた全日本選手権でのフリー最終組入りへ、今後は4回転ジャンプの導入も視野に入れる。「世界」という言葉については「全く世界は見えていないです! 世界では通用しないと今の段階では思っている」と笑いながらも、競技者としての生活は「『充実している』の一言」。残り1カ月半で、さらなる進化を遂げていく。