現役引退を撤回し、“延長2年目”のシーズンを送っている細田采花(23=関大)が念願だったトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を成功させた。

冒頭で挑み、こらえながらも着氷。61・41点の自己ベストに笑顔を見せ「初めは51点と見間違えました。全日本でアクセル降りるために続けてきたようなものなので『すごくうれしい』の一言です」と笑わせた。

宮原知子、紀平梨花らと同じ浜田美栄コーチの指導を受ける23歳は、2年前の全日本選手権で自己最高の15位に入り、競技人生に終止符を打つ流れができていた。だが、翌17年2月、紀平から誘われて3回転半の練習をしていたところ、22歳にして突然の初成功。大学を休学して「『ここからでも頑張ったら跳べるんだよ』というのを見せたい」と競技を続けてきた。

1年前の全日本選手権は3回転半を組み込んでいなかったSP26位でフリーに進めず、“延長2年目”で念願はかなった。演技後には06年トリノ五輪金メダリストの荒川静香さんに「アクセルトー(3回転半とトーループの連続ジャンプ)が見たい」とエールを送られ、田村岳斗コーチから「今日で引退じゃない?」と声をかけられた細田も決意した。

「(フリーで)アクセルトーを跳べるようにします!」

フリーは23日。3回転半2本の構成も視野に、自称「スケーターの中ではおばちゃん」の挑戦は続く。