空手女子形の清水希容(25=ミキハウス)と男子形ら喜友名諒(28=劉衛流龍鳳会)が20日、都内でプレミアリーグ・パリ大会へ向けた会見に出席した。

清水は「優勝することが、今年1年にとっても大事。いいスタートを切れるように」と抱負を語った。喜友名は「オリンピックへ向け大切な1年。沖縄での稽古が自信になっている。力をすべて出し、プレミアリーグをすべて優勝したい」と意気込んだ。

今大会から形は競技規定がガラッと変わる。従来は審判5人による旗判定だったが、7人の審判による採点方式となる。競技に精通していない人にも分かりやすくするのが狙いだ。採点の流れは以下の通り。

 

(1)各審判員は技術点(立ち方、技、流動性、タイミング、呼吸法など)と競技点(力強さ、スピード、バランスなど)を採点。それぞれの点数は5・0~10・0で0・2点刻み。審判員7人は、手元にあるタブレットへ点数を入力。従来、審判員は四隅と正面に1人に配置されていたが、今回から正面に7人が並ぶ。

 

(2)審判員7人が出した、技術点と競技点のうち、上位と下位とも2つずつの点数が除かれる。残った3つの点数を合計する。

 

(3)それぞれの合計点を技術点は70%、競技点は30%とする。それが演武の点数となり、会場に発表される。

 

従来の方式では判定の基準が分かりづらいなどの指摘があり、世界空手連盟(WKF)は5年前から採点方式の導入を検討を始めていたという。20年東京オリンピック(五輪)の追加種目に決まったことも重なり、透明化が図られた。

2年前から新ルールを想定し、練習していたという清水は「基礎と自分らしさを出せれば、いい判定になると思う。減点されない状況を作ることが大切」と話した。喜友名は「基本的な技を理解し、技を打てればポイントになる」とし、審判の位置が変わることには「後ろ姿でも前から見ている審判を圧倒できる演武ができたらいい」と口にした。東京五輪で金メダルの期待が懸かる2人とも戸惑いはない様子だ。

技術点が70%と重視される今回のルール変更について、WKFで国際審判員を務める信川義明さんは「日本人にはちょっと有利になるかな」と言う。力強さを求める海外選手が多いのに対し、日本は伝統的に基礎や正確性を重視する選手が多く、技術点は稼ぎやすい。形はこれまでも日本が他国を圧倒する強さを示してきたが、また追い風になりそうな新ルールとなる見方もある。