女子200メートル平泳ぎで、五輪2大会連続出場の渡部香生子(22=JSS)が、4年ぶり3度目の優勝を飾った。五輪出場経験を持つ今井月、鈴木聡美らとの対決を制し2分24秒28でフィニッシュした。

レース後には「派遣記録を切れなくて残念の一言です。前半は落ち着き過ぎていたので反省なのかな。優勝できたことはうれしかったですけど、発熱はあったとはいえ派遣タイムを切れなくて残念」と悔しさをにじませた。

大会直前にアクシデントに見舞われた。大会第1日の2日朝、いきなり発熱した。日本記録を持つ100メートルを欠場することになった。昨夏のパンパシフィック選手権も大会前の体調不良で欠場しており「またかと思った」。

病院で薬の処方を受けて休養。プールに再び入ったのは、200メートル予選の2日前だった。それでも持ち前の大きな泳ぎで、予選、準決勝ともに全体の1位通過。「意外といけました。準決勝は予選よりも気持ちよく泳げた。決勝ではラスト50メートルが周りとも自分とも戦うことになる。最後まで気持ちを切らさないでいきたい」と話していた。決勝のレースを想定して、前半を1分9秒台、後半を1分13秒台で泳ぐ練習をしてきた。派遣標準記録2分23秒33を視野に捉えて、決勝を迎えていた。

15年世界選手権では金メダルを獲得。実力は折り紙付きだが、五輪は12年ロンドン大会、16年リオデジャネイロ大会と不完全燃焼が続いている。若くして注目された天才スイマーも今春から社会人になった。三度目の正直となる東京五輪に向けて突き進む。