【ニューヨーク=吉松忠弘】世界のスーパースターの支援を背に、2連覇を狙う世界1位の大坂なおみ(21=日清食品)が盤石の3回戦進出だ。

同53位のマグダ・リネッテ(ポーランド)を6-2、6-4のストレートで下した。3回戦では注目の15歳、天才少女コリ・ガウフ(米国)と対戦する。男子の西岡良仁(23)は敗れた。

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2連覇に向け、豪華な顔ぶれが結集した。NBA歴代最高選手の1人、コービー・ブライアント氏とNFLで人種差別に反対し、国歌斉唱で片膝をつく抗議行動を取ったコリン・キャパニックらが、チーム大坂として、陣営の関係者席で声援を送り続けた。大坂もそれに見事に応え、「あまり長く暑い場所に座らせておくのが悪くて」と余裕のストレート勝ちを収めた。

この1年で世界の大坂へ急浮上した。その証しが、ブライアント氏ら、スーパースターとの“競演”だ。優勝した昨年大会前は世界的にほとんど無名。それが「今年はコービーが、陣営にいるのよ。信じられる? 人生って分からないものね」と興奮気味に話した。

友人を通じて知り合ったブライアント氏は、師匠のような存在だという。「人生の良きアドバイザーね。アスリートとしても、人としても尊敬している」。彼らの前で、1回戦で見せたパワーだけではない新たなスタイルを披露。しっかりと勝ちきった。

次戦は今大会最大の見せ場になる。7月のウィンブルドンで予選から勝ち上がり、V・ウィリアムズ(米国)を下すなどして16強に進出した天才少女、ガウフとの対戦だ。「彼女は最高にかわいい。それにスーパーヤング。早く対戦したいわ」と歓迎した。

ガウフには少し似たもの同士の感情もある。「ロッカールームで、誰とも話さない。まるで私と同じよ」。数年前の自分を見ているようだ。しかし、今は世界1位で前年覇者。迎え撃つ覚悟もある。「誰かがすごいって話を聞くと、自分を試すために、その選手と対戦したくなる」。スーパースターの力も加え、打倒ガウフを実現する。