<テニス:全米オープン>◇30日(日本時間31日)◇米国ニューヨーク◇男女シングルス3回戦

男子シングルス3回戦で第7シードの錦織圭(日清食品)は世界ランキング38位のアレックス・デミノー(オーストラリア)に2-6、4-6、6-2、3-6で敗れた。亜大テニス部総監督の堀内昌一氏が、錦織の敗因を分析した。

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合理性が非合理性に屈してしまった。現在の世界のテニスの主流はクロスの打ち合いからのストレートへ展開。錦織はそれに前陣速攻という要素を加え、ベースライン上やその内側に入ってボールをさばくことで相手のプレー時間を奪う合理的なスタイルを完成させた。

デミノーはまったく逆だ。常にフルスイング、フルスピード、フルカバー。フットワークを駆使して左右に動き回り、ショットもクロスではなくストレート主体。いわば体力任せ、リスク覚悟の非合理的なテニスだ。

錦織の時短プレーが通じなかった。クロスから得意のバックハンドのストレートに展開してもウイナーにならない。デミノーに追いつかれ、逆にストレートの強打で切り返された。ドロップショットも通じなかった。試合を通じての動いた距離は錦織が3197メートルでデミノーが3552メートル。錦織がデミノーを振り回したことになるが、凡ミスは相手の倍以上の60に達した。

デミノーのプレーは衝撃的で、新たなスタイルが誕生するきっかけになるかもしれない。そして、錦織がそれにどう対応していくのかも見守りたい。(亜大教授、テニス部総監督)