バスケットボールBリーグ1部の秋田ノーザンハピネッツは5日、大阪との開幕戦(午後2時5分、CNAアリーナ★あきた)を迎える。

昨季東地区5位に終わり、攻撃力アップを図るべく横浜からPG細谷将司(30)が新加入。持ち前の得点能力で攻撃のキーマンを担う。

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2日に30歳になったばかりの細谷が、新天地で充実の日々を送っている。「毎日毎日、コートに来るのが楽しみで仕方がない」と子どものように無邪気な笑顔を見せた。前田顕蔵ヘッドコーチ(HC=37)はこの日の練習後、報道陣から「攻撃の要」について聞かれると、「難しいなあ。うーん」と悩んだ後、「細谷選手です」と答えた。「シュート力もあるし、中に切り込んでもいける。思い切りのいいプレーで勢いをつけてくれれば」と期待した。

昨季は横浜でダブル主将の1人を務めながら自由契約に。直後に声をかけたのが秋田だった。「顕蔵さんの熱意がすごかった。外から見ていても秋田のチームワークはうらやましかった。今、このチームでやれる幸せを感じている」。ブースターの期待も肌で感じており、「みんな秋田に来てくれてありがとうと言ってくれる。今までそんな経験したことがない。勝って恩返ししたい」。

無名の秦野南が丘高(現秦野総合=神奈川)から関東学院大に進み、1度は一般企業に就職も、プロを諦めきれずに当時栃木の下部組織だったTGI D-RISEのトライアウトに合格。エリートコースを歩んでこなかったが「毎年毎年、確実にステップアップしている。30歳からじゃないかなと思っているんですよ」と笑う。同じくポイントガードの伊藤に対しても「プレーを見て勉強している。本当にリスペクトしている」と向上心にあふれる。横浜時代、宿敵として立ちはだかった場所で再出発。「まさか秋田でこんな日を迎えられるとは信じられない。あのブースターを味方にしてプレーできるのが楽しみ。必ず連勝して勢いをつけたい」と開幕ダッシュを誓った。【野上伸悟】