NBAデビュー戦で14得点10リバウンドの「ダブルダブル」をマークした八村のすごさはどこにあったのか? 

塚本清彦氏(58=Rakuten NBAコメンーテーター)がこの日のプレーを分析するとともに、今後の可能性を占った。

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八村はアウェーの大歓声の中、冷静にプレーできたところだけでも素晴らしいが、さらにダブルダブルを達成したのは評価できる。得点とリバウンドのダブルダブルは、リバウンドが評価されるフロント(PF、SF、C)の選手にとっては名誉なこと。特に自身の得点にもつなげたオフェンスリバウンド4は立派だった。

細かいカバリングなどディフェンスも素晴らしかった。相手のドンチッチ、ポルジンギスの2人で60点近く取られていたが、八村がマークしたときには点を許さず、しっかり抑えていた。第1クオーター(Q)で2つのファウルを犯した。個人ファウルは6回で交代させられるため、早めに下げられてしまったが、それがなければプレー時間はもっともらえただろう。その後はファウルをしなかった。ベンチで言われたことをしっかり守り、修正できる能力も持っている。

今後の課題は2つ。1つは3本打って0本の3点シュート。十分な体勢で打っていただけに確実に決めたい。もう1つは集中力を切らさないこと。NBAは大学と違って1Q12分と2分長い。試合後に語っていたが、この日の第3Qのように点差が開いて、待つ時間が長くなることもあるので、出番まで集中しておくことが必要だ。

次のサンダー戦ではガリナリ、続くスパーズ戦ではオルドリッジ、続くロケッツ戦ではタッカーのようなベテラン陣とマッチアップする。その中でこの日のような動きができるかが大事になってくる。

さらには今後、攻撃で相手をプッシュしてからの右からのドリブルやスピードをさらに上げていけば、昨季優勝に貢献したシアカム(ラプターズ)に近づくだろう。加えて、ディフェンス力をもっと上げれば昨季MVPのレナード()のようになる可能性もある。