フィギュアスケート女子でグランプリ(GP)シリーズ最終戦NHK杯2連覇を狙う紀平梨花(17=関大KFSC)が、4回転ジャンプを切り札に据える。21日、札幌市内の本番会場で公式練習。終盤に4回転サルコーを1本着氷させると、拍手に包まれた。23日のフリーへ、新調した深緑の衣装で舞い「会場の温度、氷の感覚、自分の感覚を確かめて(実戦導入を)決めたい」とほほえんだ。

自身最高難度のジャンプ構成が視野に入った。紀平の代名詞は、この日8連続を含む10本成功させたトリプルアクセル(3回転半)。だが、今季シニアデビューの15歳トルソワがフリーに3種4本の4回転を組み込み、同じ15歳のシェルバコワも4回転ルッツを武器に、そろってGP2連勝。ロシア勢の躍進を想定し、昨季から4回転を本格的に練習する紀平も「ミスが許されないと感じています。トリプルアクセルは(2日間で)確実に3本」とノルマを設定する時代になった。

今大会で表彰台に立てば自力でGPファイナル進出が決定する。だが、18年平昌オリンピック(五輪)金メダルのザギトワ、第3戦フランス杯を制したコストルナヤ(ともにロシア)ら実力者がそろっており、浜田コーチは「ショートが終わって(順位や紀平の)状態が良ければ入れるかも」。大会の公式練習で初めて披露した4回転は本気度の証しだが、あくまでもファイナルへの進出が優先だ。まずは22日のショートプログラム。好スタートを切った先に、次のステージが見える。【松本航】