丸山城志郎(26=ミキハウス)もあと1歩及ばなかった。決勝でライバルの阿部一二三に勝てば、東京オリンピック(五輪)代表に決まる可能性もあった。延長3分過ぎ、支え釣り込み足で技ありを奪われ、勝負あり。「負けは負け。まだまだ弱い…。心技体を鍛え直して、東京五輪では必ず優勝する」と涙しながら振り返った。

今年8月の世界選手権で右膝を負傷し、回復状態は「6~7割」の万全の状態ではなかった。10月中旬から本格的な稽古を始め、急ピッチで体を仕上げた。「欠場」の2文字はなく、どんな状況でも勝ちきることを信念に臨んだ。

天理大2年の14年、左膝前十字靱帯(じんたい)を断裂。リオ五輪への道が断たれた。手術を受けて試合に出られなかった2年で阿部が台頭。負けはしたが、夢は終わりでない。「誰にも負けない絶対的な存在になる。もう負けない」と、さらなる進化を誓っていた。

<他の男子選手のコメント>

◆金の男子60キロ級高藤直寿 勝ったことが大きい。(世界選手権で負けて)子供に「パパは世界チャンピオン」と言われ、違うと言うのが苦しかった。今度は五輪でチャンピオンに。

◆銀の男子60キロ級永山竜樹 勝たなきゃいけない試合だった。最後の最後で負けてまだまだ弱い。(五輪代表を)まだ諦めるわけにはいかないので、もっと強くなりたい。