ノーシードの石見智翠館(島根)が、トライを量産し、初の日本一へ白星発進した。

前半、SO久富連太郎(3年)のトライを皮切りに、前半だけで11トライ。久富は後半に交代となったが、ゴールキックも10本決め、1人で25点を稼いだ。後半になっても勢いは弱まらず、9トライを奪う圧勝だった。

132点は花園史上4位。安藤哲治監督(46)は「初戦にしてはボールがつながって、よくやった方」と満足げだった。

安藤監督によれば、8日に大阪市内のグラウンドで練習をしていると、OBの日本代表SH茂野海人(29=トヨタ自動車)とその兄でWTB洸気(30=NTTドコモ)が指導に訪れたという。「アタックに対するマインドが変わった。茂野(海)は(W杯に)出られなかった悔しさや、次のW杯に向けてがんばるということを言っていた」と明かした。

これまでの最高成績は4強。茂野兄弟でも高校の頂点に立てなかった。久富は「僕たちはチャレンジャー。チームカラーのディフェンスから押し上げていきたい」と偉大な先輩越えを誓った。【南谷竜則】