花園に降り注ぐ雨が、泥だらけになった札幌山の手フィフティーンのユニホームを洗い流した。目標の8強も、年越しへの思いも、果たせなかった。0-19の完封負け。

11度目の2回戦挑戦はBシード中部大春日丘(愛知)の前に打ち砕かれた。同じ相手に2年連続敗退。原田季弥主将(3年)は「取るべきところで点を取り切れなかった」。頬に涙が伝った。

前半1分。相手にチャージを許して先制トライにつなげられた。それでも「前半はよくしのいだ」と佐藤幹夫監督(58)。前半終了時点で12-26と大差がついた前回大会の姿はなかった。FW戦は五分五分。ニュージーランドからの留学生NO8ヴェア・タモエフォラウ(3年)を中心に攻め続けた。ノートライのタモエフォラウは「悔しい。もっとランプレーがしたかった」と残念がった。

日本代表リーチ・マイケル(31)の母校として、今季はW杯でボールパーソンを務めるなどメディアに連日登場した。W杯8強の偉大な先輩からは前夜にも激励の動画が届いた。注目を力に変えて夢舞台で戦った。原田は「今年の悔しさを絶対に忘れないで欲しい」。来年こそは…。桜の闘将のように、何度でも立ち上がる。まだ見ぬ境地を目指して。【浅水友輝】

◆北海道勢と2回戦 札幌山の手は02年に初めて進出して以来、今大会で11度目の挑戦だったが全敗している。道勢が1大会2勝を挙げたのは3回戦敗退の90年度の函館稜北が最後。同年度以降に2回戦に進出したのは札幌山の手のほか、北見北斗、函館大有斗、富良野、中標津、遠軽の南北代表6校。2回戦の成績は平成年間で26戦1勝25敗。今大会で26連敗中。

◆札幌山の手新チームの次期主将候補、CTB木津谷勇輝(2年) 0からのスタートではなく、今のチームの良いところから積み上げていきたい。