高校ラグビーの「U18合同チーム東西対抗」が花園ラグビー場(大阪)で行われ、12ー19で西軍が勝利。東軍メンバーとして、東北勢の中山元(青森・八戸)、藤川翔大(岩手・不来方)、丹野陽哉(宮城・多賀城)、菊地雄大(宮城・古川工)小野賢登(岩手・釜石)の3年生5人が夢舞台に立った。

中でも人一倍強い思いで花園に立ったのは小野だ。小学3年で大震災を経験、母方の祖父母を津波で亡くした。今大会の花園予選は部員14人で、助っ人を借り15人ぎりぎりで戦ったが2回戦敗退。そんな苦境を乗り越えてつかんだ憧れの聖地だった。小野は「3年間、花園出場を目標にやってきた。代表入りが決まり、釜石の人からも『頑張って』と応援してもらった。釜石代表としてプレーできてよかったが、トライを取りに行こうとしてターンオーバーされたのが悔しかった」と涙を流した。

卒業後は東北学院大(宮城)でラグビーを続け、将来は消防士になる夢を思い描く。「花園でプレーした経験を生かしたい。タックルされても簡単に倒れない選手になりたい」。花園でひとつの夢をかなえた小野は、もうひとつの夢に向かってラグビーとともに成長を続ける。