1月1日付で日本パラリンピック委員会(JPC)委員長に就任した河合純一氏(44)が10日、東京都内の同委員会で就任会見を行った。

河合氏は競泳の視覚障がいクラスでパラリンピックに92年バルセロナ大会から6大会連続で出場して金メダル5つを含む21個のメダルを獲得し、16年には国際パラリンピック委員会(IPC)殿堂入り。初のアスリート出身、初の常勤委員長になる。

「五輪は平和の祭典と言われますが、パラリンピックは人間の持つ可能性の祭典。パラアスリートが持っているポテンシャルを発揮することで、人々が自分自身の可能性に気づく。想像を超えたパフォーマンスを見た方が、心の中のバリアを取り除く力を持っている」

第一声でパラリンピックの価値を力説した河合氏は、8月25日に開幕する東京大会へ向けてこう続けた。

「世界中のアスリートに最高の舞台で最高のパフォーマンスを発揮できるよう支援していく。フルスタジアムとベストパフォーマンス。すべての会場を満員にすること。そして、日本選手団が大活躍すること。これをしっかり実現することが、我々に与えられている職務と認識しています」

ただ、JPCが16年リオデジャネイロ大会後に掲げた「金メダル22個」の目標については、「現在、議論を重ねながら精査中」とし、新たな目標が設定でき次第明らかにすることを約束した。

また、選手経験者として「アスリートセンターな組織体制の構築を進めたい」と語り、選手や現場の声を積極的に取り入れた組織運営を目指すことを明言。東京大会後については「活力ある共生社会を実現するためにJPCが何をしていけばいいか、しっかり方向性を定めていきたい」と語った。

河合氏は13年から日本身体障がい者水泳連盟会長を務め、昨年末まで日本パラリンピアン協会会長に就いていた(現在は理事)。また、アジアパラリンピック委員会アスリート委員会副委員長としても活動している。前委員長の山脇康氏はIPC理事、東京五輪・パラリンピック組織委員会副会長を継続して務める。