20年東京オリンピック(五輪)女子団体代表の平野美宇(19=日本生命)が昨年に続き女子シングルス5回戦で姿を消した。

前年、ジュニア女子優勝の出沢杏佳(17=大成女子高)に1-4で敗戦。相手の異質ラバーから繰り出される変則的なボールに幻惑された。女子ダブルスは伊藤美誠(19=スターツ)早田ひな(19=日本生命)組が準決勝に進出。男子ダブルスの水谷隼(30=木下グループ)大島祐哉(25=同)組は準々決勝で敗退した。

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相手の変則的な戦型に苦戦し、五輪代表の一角が早々に大会を後にした。使い手が少ない「粒高ラバー」から放たれるバックショットに独特な変化がかかり、平野が思うようにボールを捉えられない。「イボ(粒高)は思ったより変化が多く、最後まで自分でコントロールできなかった」と悔しそうに言った。

平野はフォア側、バック側ともに「裏ソフト」と呼ばれる平らなラバーを使う。ボールに回転をかけやすいが、相手の回転の影響も受けやすい。

一方の出沢は、フォア側にはラバーに粒がある「表ソフト」、バック側にはさらに突起が高い「粒高」を使用。打球時にボールとラバーの接地面が少なく、相手ボールの回転の影響を受けにくい。さらに攻撃時には、ボールに予測が難しい変化が出やすく、時にはナックル現象も起きるため、受ける側は慣れるのに苦労する。ちなみに日本のエース伊藤もバック側に表ソフトを使用している。

平野は五輪代表になった気負いがあったか聞かれ「それはない」と否定。東京五輪を見据え「海外でも異質型は少なからずいる。どんな戦型の選手にも勝てるようにしていきたい」と苦手な戦型を消していくよう努めていく。【三須一紀】