女子体操のホープ平林やぶき(ジムナスティック新潟=東京学館新潟1年)が2月8日から4日間、16年リオデジャネイロオリンピック(五輪)代表の宮川紗江(20=高須クリニック)とともに長岡市内で合同合宿を実施する。

自身も東京五輪予選の第1関門である全日本個人総合選手権(4月=東京)に県選手でただ1人出場。合宿でたっぷり刺激を受け本番に備える。

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4月の全日本に向け平林は全種目でのパワーアップを図っている。持ち味の体の線を美しく見せる体操に力強さを加えることが目下の課題だ。床で段違い平行棒のフィニッシュに取り入れているサルト(後方2回宙返り1回ひねり)、跳馬で伸身のユルチェンコ1回ひねり(後転跳び後方宙返り1回半ひねり)を初披露する予定。日本のトップ選手と比べれば決して難易度は高くないが、真骨頂であるつま先から指先まで神経が行き届いた演技を目指し、新技の完成度を高めることに余念がない。

「(東京)五輪は夢みたいな話。でも、体操をやるからには五輪を目指していきたい」という向上心旺盛な平林に絶好の機会が訪れる。リオ五輪代表・宮川との合同合宿だ。合宿中の2月9、11日は、試合形式の練習で審判が演技を採点する。大会と同じ緊張感ある雰囲気の中で、技の習熟度をチェック。「緊張しますが、宮川さんの跳馬、床を見るのは楽しみ」。全日本の出場選手は72人で、上位24人が5月のNHK杯(群馬)へと駒を進める。

中学3年の8月、段違い平行棒のトカチェフ(背面開脚後ろ飛び越し)の練習中に背骨の棘(きょく)突起を故障した。全日本ジュニア出発前日、全国中学選手権を2週間後に控え、起こったアクシデント。全日本ジュニアは途中棄権、全中は痛みをこらえながら演技した。大会後に医師の診断を受け、初めて骨折が判明した。ケガの要因となった高く、大きなトカチェフは今では得意技の1つとなった。そんなケタ外れの根性を持つ平林にジムナスティック新潟の渡辺進弥代表(48)は「順位的にはまだ下位だが、見る人を引きつける何かを持っている」と期待を寄せている。【涌井幹雄】

◆平林やぶき(ひらばやし・やぶき)2003年(平15)10月8日、新潟市生まれ。上所小3年でジムナスティック新潟で体操を始め、上山中に。全日本には中2で初出場。151センチ、44キロ。血液型B。