B1新潟アルビレックスBBは中地区4位で19-20年のシーズンを終えた。2月27日にリーグ戦延期が決まり、一時中断、その後、3月14、15日の琉球戦(アオーレ長岡)を無観客で行った後に再び中断。そして27日に中止。庄司和広監督(45)は新型コロナウイルスの影響で揺れ動く状況の中、冷静にチームをまとめた。

-中断、無観客、中止を受けて考えたことは

庄司監督 自分たちでコントロールできないこと。リーグのトップの方々が最善を尽くして考えてくださったと思います。ただ、うちは負けが込んでいた(中止時13勝28敗)ので、勝ち星が先行しているチームとは状況が違うことを意識していました。

-チームのもって行き方で意識していたことは

庄司 自分たちが向上するためにやる。練習ではオーバーリアクションで褒めて、気持ちよく続けられるようにしました。

-選手のモチベーション維持で努めたことは

庄司 選手にもいろいろ情報が入っていて、不安を感じている部分がありました。外国人選手は特に。食事を持って家を訪れたり、リーグの現状や私たちの考え方を話しながらコミュニケーションを図りました。B1からの降格(全18クラブ中15位)も、チャンピオンシップ(CS)進出の可能性(地区2位以内)もある順位だったので、そこをモチベーションに選手と話しました。

-その中で難しかった部分は

庄司 ポジティブな部分を伸ばすことが必要なのかな、と思いました。今季は、できないところにフォーカスし過ぎた。映像やデータなどで相手に対しての時間を多く費やしていました。でも自分たちができていることをうまく伝える方法もあるのかなと。選手はひたむきに努力してくれました。それを結果として見せる機会がなくなってしまったことは寂しかったです。

-監督としての気付きがあったことは

庄司 組織力、遂行力を磨き、それを追求できる個の育成が必要です。サイズのあるハンドラーの育成、アタックメンタリティーやシュート確率の向上。プレーを遂行するフィジカルの強化なども。コーチとして結果だけで見るのではなく、なぜそのプレーをしたかを読み取り、改善するようにしなければ。

-ホームでは6勝14敗となかなか勝てなかった中、応援してくれたブースターへ

庄司 たくさんの声援で選手の背中を後押ししてくださり、ありがとうございました。目標(CS進出)が達成できず、悔しいシーズンになりましたが、最後まで選手はチャレンジし続けてくれました。この悔しさを次のシーズンにつなげて喜んでいただけるようにならなければと思います。新型コロナウイルスが1日も早く終息し、皆さまが安全で健康な日々が送れることを祈っています。【構成・斎藤慎一郎】

◆庄司和広(しょうじ・かずひろ)1974年(昭49)4月26日生まれ、埼玉県出身。北陸高から拓大に進み、卒業後は住友金属、トヨタ自動車、大和証券でプレー。96、01年に日本代表入りした。00年、新潟入りし01年から主将。12-13年に秋田で現役を引退し、13-14、14-15年は新潟のアシスタントコーチを務めた。15年10月から16年5月まで高松のアシスタントコーチ。16年6月に新潟の監督に就任。