宮城から世界の頂点へ上り詰める。仙台城南・竹田創(3年)は、国内外のスポーツクライミング大会に参加する男子高校生だ。昨年8月にイタリアで開催された世界ユース選手権では、3種目複合競技の「コンバインド」で準優勝に輝いた。現在は8月中旬に開催予定の公式戦に向けて、新型コロナウイルスによる移動自粛も緩和されたことから、東北6県内の会場で練習に取り組んでいる。

同競技は壁を登る速さを競う「スピード」、登った高さを競う「リード」、制限時間内に登り切った回数を競う「ボルダリング」の3種目がある。同選手権では「自分の強みがボルダとスピードで順位を上げられるところ。特に昨季はスピードに力を入れて取り組んだ結果がこの成績につながったと思う」。外国人選手に負けないパワーと腕を伸ばした際の身長(172センチ)プラス10センチのリーチを武器につかんだ結果だった。

今後の目標を竹田は「2024年パリオリンピックで金メダルをとる!」と色紙に記し、「目指すなら成績が伸びているスピード。スピードに特化した練習に取り組んで、パワーや技術力を高めて(優勝を)狙いたい」。東京五輪で種目入りした同競技。パリ五輪ではリードとボルダリングの統合種目とスピード単種目での開催が有力視されている。スポーツクライミング界の新たな歴史をつくるため、竹田は険しい壁を登り続ける。【相沢孔志】

◆竹田創(たけだ・はじめ)2002年(平14)5月17日生まれ、宮城・仙台市出身。西中田小6年で公式戦に初参加。柳生中3年時にユース日本代表に初選出。仙台城南に進学し、主な成績は高2のau SPEED STARS 2019準優勝、スピード・ジャパンカップ3位など。172センチ、68キロ。握力は右左ともに76キロ。家族は両親、妹、祖母。趣味はゲームと絵を描くこと。