16年リオデジャネイロオリンピック(五輪)代表の長谷川涼香(20=東京ドーム)が、昨夏世界選手権優勝タイムを上回る2分5秒62をたたき出した。前半を59秒33で折り返し、自己記録を4年ぶりに0秒38も更新。昨夏世界女王カバーシュ(ハンガリー)の2分6秒78も上回った。

コロナ禍で無観客の今大会。2位以下に6秒差、ライブ映像の画面から後続選手が消えそうな大差。「うれしい気持ちよりもびっくり。(電光掲示板で)『5』(秒台)という数字を見てよっしゃと思った」。

29日の100メートルでも57秒49の自己ベスト。この日は父の滋コーチに「今日のレースは150メートルまで。あとは好きに」と指示された。飛ばしに飛ばして、150メートル地点で星奈津美の日本記録(2分4秒69)を0秒69も上回った。磨きをかけた腕のかきが結果になった。世界選手権金相当だが「前回の五輪金メダルは2分4秒台。そこに近づけるようにしたい」と慢心はない。

白血病から再起を目指す池江とは同じ淑徳巣鴨高、日大で1年先輩。同じバタフライで池江は100メートル、長谷川は200メートルが本命だ。長谷川は29日の池江復帰レースに「やっぱり速いな。100メートルバタフライで璃花子と競れるところまでいけたらいいなと思う」と成長を誓った。【益田一弘】