トライアスロン女子の上田藍(36=ペリエ・グリーンタワー・ブリヂストン・稲毛インター)が1日、世界選手権(5日、ドイツ・ハンブルク)出場のためドイツに出発した。新型コロナ禍で移動制限も続く中、他の五輪競技に先駆けて行われる大規模大会。「この状況で迷ったけれど、出ることにも意味がある」と、上田は前向きに話した。

シリーズ戦で世界一を決めるトライアスロンだが、今季は世界選手権シリーズ全7戦中6戦が中止。唯一行われるハンブルク大会が世界選手権になった。ドイツは日本人の入国を制限しているため、渡航手続きは難航。「いろいろな方のお世話になった」と、上田は感謝した。上田と男子のニナー・ケンジ(27)以外の日本選手やオーストラリア勢は出場を見合わせたが、欧州や米国のトップ選手は多くが出場予定だ。

上田にとっては、昨年11月のW杯リマ大会以来、10カ月ぶりのレース。もともと大会で調子を上げるタイプだけに「早くレースに出たいと思っていました」。自粛期間中は、高地の長野で2週間-本拠の千葉で1週間のトレーニングを4回こなし「調子はいいと思います」と明るく話した。

五輪出場権争いには関係なく、他の選手の状況も分からないだけに「結果はやってみないと」と上田。帰国時に2週間の自宅隔離が必要なため、世界選手権後も欧州を転戦する予定だという。「不安もあるけど、楽しみも大きい」と言って、閑散とした成田空港から旅立った。【荻島弘一】