合計166・80点で3位の新田谷凜(23=中京大)が、2位本郷理華(24=中京大)の約1年5カ月ぶり実戦復帰を歓迎した。

「試合のリンクに理華がいるのが、うれしくて。1歳上なんですけど、理華がそれこそ復帰して最初の練習から見てきたので。ここまで状態を戻してきて、すごいなあ、と心強かった。しっかりジャンプも決めていましたし、練習も最近、今日みたいな感じでミスが少なかったので、練習通りだな、と思って見ていました」

ずっと、そばで見てきた新田谷も確信した本郷のフリー1位。「次なんですけど、見入っちゃいました」と笑ったように、続く出番で新田谷が登場した。自身も、昨年の全日本選手権で7位の好成績を収めたことで引退を撤回。現役続行を決め、合計166・80点で3位に入った。

フリーはミスが出て全体6位に終わったものの、前日26日のショートプログラム(SP)は61・69点の2位。SP曲は昨季から継続の「レッド・バイオリン」で、その貯金を生かした。一方のフリーは新プログラムの「ブラックスワン」。発展途上ながら滑り切り「プログラムの1つ1つ、ジャンプで失敗しても、ほかで手を抜かないことを意識しました。直前の2、3週間は(尾骨を痛め)練習できていなかったので滑り切れるかなあ、とも思いましたけど、フリーはお披露目だったので、何とか最後まで滑り切れたかな」と第1段階はクリアした。

10月末からの西日本選手権(京都)と12月の全日本選手権(長野)へ。課題は明確で「今日は練習がそのまま出てしまった。理由ははっきり分かるので、練習でこのぐらいできれば試合ではこうなる、というのが分かる方なので、しっかり改善していきたい。もう痛みもないですし、もっと滑り込めたら」。本郷ら信頼できるスケーターたちと高め合っていく。【木下淳】