男子少年は札幌栄南中3年の坂野旭飛(あさひ=15)が、21回目を数える大会史上、男子で初の中学生王者に輝いた。

坂野は1回目113メートル、2回目108メートルをマーク。出場11人中でただひとり100メートル越えのジャンプを飛んで圧勝し「納得のいくジャンプを2本そろえられた」と喜んだ。

これまでの中学生の最高成績は06年トリノ五輪代表の伊藤謙司郎氏(30)や、14年ソチ五輪団体銅メダルメンバーの清水礼留飛(26=雪印メグミルク)らの2位。18-19年W杯で日本人男子初の個人総合覇者になった小林陵侑(23=土屋ホーム)が同部門を2連覇したのも、岩手・盛岡中央高時代だった。

坂野の父はW杯にも出場した元雪印ジャンパーの幸夫さん(44)。幼少期から父が飛ぶ姿を目に焼き付け、札幌栄南小2年で競技を開始。札幌ジャンプスポーツ少年団でコーチを務める父の指導を受けながら、着実に力を付け、全国中学では1、2年生で2年連続3位となった。中学最終年の今年は新型コロナウイルスの影響で練習が制限されたが、2月~6月の間に身長が8センチ伸び170センチに。「スキーの板が2回変わりました」。急激に体は変化しているが、コロナ禍でも陸上トレーニングや筋トレを徹底して体幹を鍛えることで対応した。

地元札幌市が招致を目指す30年の冬季五輪を目標に「オリンピックで優勝するのはもちろん、世界のてっぺんに立ちたい」と夢は大きい。だからこそ、今大会の結果に満足せず「今日のように大人の大会に出ることが多くなる。世界やW杯に出る選手に追いつけるような技術やメンタルを鍛えたい」と力を込めた。