福島東稜が100-56で福島南を圧倒し、2年連続3度目の王者に輝いた。194センチのナイジェリア人留学生、モーヌ・チソン・フランクリン(2年)がチーム最多38得点。第2クオーター(Q)から出場した大栗優斗(3年)も負けじと3点シュート4本含む同2位の27得点を挙げ、2人で総得点の6割超を占める計65得点と爆発した。1度もリードを譲らず完勝し、県代表として全国選手権(12月23日開幕、東京体育館ほか)に出場する。

福島東稜の100得点目が決まると同時に試合終了を告げるブザーが鳴り響いた。フランクリンと並ぶヒーローは途中出場の大栗で「福島で試合をするのが最後になるので自分の全力を尽くそうと思っていた」。第2Q、28-21の場面。大栗がシュートを決め勢いに乗ると、連続で3点シュートを成功させ、15点差に広げた。第4Qでも3点シュートを連続で決め、その後も3連続得点をマークした。

中のフランクリンへの警戒が強まったことで、外の大栗が躍動した。「自分はドライブで切り込み、アウトサイドのシューターへアシストというプレーが多い。(チームとして)今日は中のフランクリンで攻めようと決めていて、相手の寄りが速いと分かっていたので、いつでも打てる準備をしていた」。3点シュートは「あまり得意ではない」が、高確率で決め、相手にダメージを与えた。

卒業後は大学に進学もバスケは続けない。中学時代に足首などのけがが多く、「リハビリをしている時に憧れを持つようになった」と理学療法士の夢へ進む。前日1日の開志学園A&Dとの準決勝は午前の受験後に臨み、チーム3位の17得点をマーク。準決勝は3点シュートが不発で「昨日はドライブに行けてたが、外から入らなかった。今日は昨日と違い外が入っていたので、よりドライブに行きやすかった」。相乗効果で得点を量産した。

大栗は中学時代に同じ3年の佐藤敢太主将、小林悠真、福地真央、加藤翔太と県選抜でプレー。福島東稜入学の決め手は「留学生もいてより上に行けると感じ、みんなで集まってやろうと思った」と昨年は15年から県4連覇の福島南を止めた。全国選手権へ「今年はベスト8以上を狙えるチームなので、1戦1戦しっかり戦い、上を目指したい」。着実に実力をつけてきた福島東稜が台風の目になる。【山田愛斗】