不来方が一関修紅との昨年決勝カード再戦を3-1で制し、2年連続14度目の優勝を飾った。佐藤生真(いくま)主将(3年)がチーム最多の16得点をたたき出し、185センチの大型1年生、大坊陽彩人(だいぼう・ひさと)はアタック決定率68・8%の精度で「ウイニングスパイク」を含む11得点をマーク。来年1月5日開幕の高校選手権(春高バレー、東京体育館)の出場権を得た。

歓喜の雄たけびが響き渡った。第4セット、24-20で迎えたマッチポイント。ラストトスが1年生に上がった。大坊は「自分で決めようと思った」と勢い良くコートを蹴り上げ、右手で渾身(こんしん)のスパイクを放った。相手ブロックを突き破り「今まで頑張ってきたことが、報われた瞬間。3年生であったり、支えてくれている人に感謝の気持ちを持って、全力を尽くせた」と納得の笑顔を見せた。

コロナ禍を乗り越え、3年生にとっては、今年最初で最後の全国切符を懸けた大一番だった。チーム最多得点の佐藤主将は「緊張しないタイプなんですけど、期間中はご飯も食べられないくらいだった」と連覇の重圧に耐えながら、チームを鼓舞し続けた。「ここからがスタート。目の前の1点を大事に戦いたい」と気持ちを引き締め、前回大会の全国16強超えに挑む。【佐藤究】