「百獣の王」こと、タレントの武井壮が26日、環境省の「サステナビリティ広報大使」に就任した。スポーツを切り口に気候変動問題への関心を広げる狙いで、幅広い分野に精通する武井が抜てきされた。日頃交流のあるサッカーのブラジル1部ボタフォゴ所属のMF本田圭佑や陸上男子100メートルの桐生祥秀(日本生命)らへ協力を呼び掛けるとし「レジェンド級の人たちと地球環境を考える意識を共有したい」と力強く宣言した。

この日の就任イベントには武井の他、橋本聖子五輪相、小泉進次郎環境相が参加。広報大使の任命書交付が行われた後、3人は来夏の東京オリンピック(五輪)・パラリンピックでの気候変動対策を意見交換した。

現役アスリートでもある武井は「本番に備えて激しい練習をしている選手たちは、温暖化が一層深刻化すると負担が増すと心配しています」。夏場の暑い時期でも厳しいトレーニングに打ち込む上で対策が必要不可欠だと指摘。本田が立ち上げた東京都社会人4部リーグの「Edo All United」で監督を務めている縁も生かし、「サッカーの伝道師のように世界各地を渡り歩く本田圭佑君の力も借りて、微力ながら発信していく」と抱負を述べた。

武井を広報大使に任命したことについて、小泉環境相は「幅広い分野で活躍し『言葉の力』を持たれている方。脱炭素社会の実現に向けてライフスタイルの変化が求められる中、武井さんにしかできない発信でお力添えをいただきたい」と期待していた。【平山連】