歴代最多22回の優勝を誇る昨年女子王者の桜花学園(愛知)が、徳山商工(山口)に108-40で勝利を収め、順当に3回戦に進出した。女子チーム最多得点記録の146点を量産した1回戦の松徳学院(鳥取)戦に続き、後半に主力を温存しながらも2試合連続で100点超えの大勝で、優勝最有力候補の実力を見せつけた。

松徳学院戦で前半だけで40得点12リバウンドを記録した186センチのナイジェリア人留学生オコンクォ・スーザン・アマカ(3年)は、12得点ながら13リバウンドをマーク。「自分でよくなったところはリバウンドが上がったところ。相手が強い弱いは関係ない。自分たちがいくだけ」と、3年間ですっかり上達した日本語で答えた。

1年の時は日本語がまったく理解できなかったが、先生とマンツーマンで勉強して、今ではチームメートとふつうに会話ができるようになった。その語学力がプレーにも影響している。「仲間と日本語でコミュニケーションが取れるようになって、1年の時よりずっとバスケットが楽しい。チームのコミュニケーションも去年より上がりました」。

新型コロナウイルスの日本での感染拡大を、ナイジェリアの家族も心配しているが、大会に集中するためあえて連絡は取っていないという。「大会前のチームのルール。でも私のかわりにチームのスタッフがお父さんと連絡を取って、私は大丈夫だと伝えています」。

好きな日本語は『一期一会』と『豆腐にかすがい』。「先生に教えてもらいました。すごくいい」。卒業後も日本の大学でプレーを続ける。「今年はコロナのせいで試合が全然なかったから、最後はしっかり笑顔で終わりたい。自分もいいプレーをして終わりたい。ライバルは岐阜女子かな。いい思い出で終わりたいので絶対に勝ちます」。大会連覇は、自身の高校3年間の成長の証しでもある。