開志国際(新潟)は男女アベックで白星スタートを大勝で飾った。第1シードで2回戦から登場の女子は実践学園(東京)に84-69で快勝。SG松山玲奈(3年)が公式戦自己最多の30点と暴れた。男子は専大付(東京)に117-48で圧勝。第1クオーター(Q)立ち上がりの2-0からPG石原史隆(3年)が3点シュート3本を含む11得点を挙げてチームを波に乗せた。25日は女子が3回戦で京都精華学園と、男子は2回戦で延岡学園(宮崎)と対戦する。

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当たり出したら松山のゴールラッシュが止まらなくなった。波に乗ると手がつけられない精密さで得点を重ねた。ゴール下に切り込み、ミドルシュートも迷いなく決めた。第2クオーター(Q)は32-31から3連続ゴール。硬さがほぐれ、第2Qだけで14得点を量産した。「(村上南小2年からの)バスケ人生で何万も何十万もシュートを打ってきた。1つのシュートに悔いが残らないように打った」。公式戦自己最多となる両チーム最多30得点は流れを変えた。

松山は3年連続ウインター杯のコートに立ち、大舞台の戦い方も心得る。第1Qは14-20と追う展開だった。「最初はチームが硬かった。3年生で頑張ってきたので、自分が率先してオフェンスしようと思った」とリングに積極的に向かった。開志国際には村上中教校2年時から時折、練習参加してきただけにチーム愛は強い。「点を取って勝利に導くように頑張った」。

県内外から入学してきたメンバーは寮生活を送っている。しかし松山は14年創部以来初の「通学部員」だ。村上市の実家では午前5時半起床。6分15分村上駅発の電車に乗り、午前7時からの朝練習に参加。フィジカルも鍛え、ベンチプレスは45キロ。27・5キロから始めてパワーをつけた。そんな3年間の苦労を高校最後の全国大会で実らせる。「今までやってきたことをやり切る」。淡々と話した口調に思いがこもっていた。【涌井幹雄】