男子シングルス世界ランキング1位の桃田賢斗(26=NTT東日本)が、11カ月ぶりに復帰した大会で決勝進出を決めた。準決勝で昨年大学王者の田中湧士(日大)を21-16、21-16のストレートで下し、「残り1試合なので、“全集中”で頑張りたい」と、鬼滅の刃の名フレーズで、3連覇がかかる27日の決勝へ意気込んだ。決勝は、常山幹太(トナミ運輸)対古賀穂(NTT東日本)の勝者と対戦する。

両ゲームともに出だしで田中にリードを許した。桃田最大の武器は、ミスの少なさと攻守のバランスだ。しかし、この日は、「試合をやるのは初めて」の相手で、桃田にやや守りの意識が強かった。

第1ゲームは2-4、第2ゲームは1-4とリードを許したが、そこから攻撃的な相手がミスが生まれ、桃田が逆転した。「押せていけたし、悪くはなかった」。ただ、受け身に回ったことに、桃田は「慎重にいきすぎると、ワンテンポ遅くなる。相手に打たれてしまう」と反省。決勝は「なりふり構わずに、(向かっていく)気持ちを出せるかどうか」と、積極的な気持ちが優勝へのカギだと話した。

今年1月にマレーシアで交通事故にあった桃田は、今大会が346日ぶりの復帰戦。23日の1回戦を快勝し、その後も順調に勝ち進んできた。準々決勝では第1ゲームを奪われ苦戦したが、この日は、しっかりと立て直した。